第1章: 涙を流す時代
ハズラト・ババジャン
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もし誰かが花を持って来ると、彼女は金の無駄だとその人をたしなめ、こう尋ねた。 「こんな花が何の役に立ちますか。なぜ皆が楽しめる菓子やお茶のようなものを買って来なかったのですか。」
ババジャンがたまたま通りすがりの誰かに目を向けると、その人は呆然と立ち尽くし、彼女の神々しい顔を見つめた。食堂の主人や果物売りたちは、彼女に来てほしいと頼み、望むものは何でも差し出した。ババジャンがそれに応じれば、彼らは自分たちを幸運だと考えた。
ババジャンが駐屯地の区域へ行くとき、彼女はしばしば時計職人であるシャイフ・イマームというムスリムの家を訪ねた。彼女のぼろぼろの服を見ると、シャイフの母はババジャンを沐浴させ、新しい衣服を着せたいと願ったが、ババジャンはいつも拒んだ。しかしある日、彼女は折れ、シャイフの母はこの上ない苦労と忍耐をもって、導師をやさしく沐浴させ、彼女のために特別に仕立てた新しく清潔な長衣と下着を着せた。これが、ババジャンが生涯のうちに受ける最後の沐浴となった。それにもかかわらず、彼女の身体はいつも芳香を放ち、汚れとは無縁であった。まるでその目から流れ出る愛の葡萄酒で沐浴しているかのようであった。
プネーに定まった住まいがなかったため、夜になるとババジャンはどの通りの脇でも休んだ。彼女はしばらくの間、プネーとその周辺のさまざまなダルガー [聖者廟] の近くに座っていた。ディギ、ワカディア・バーグ、そしてパンチ・ピールのダルガーの近くである。パンチ・ピールのダルガーの近くには多くの蟻の巣があり、蟻はババジャンの上を群がって噛みつき、彼女の身体に大きな腫れをつくった。それでもババジャンは、何事も起こっていないかのように静かに座り続けた。
ある日、カサム・ヴィー・ラファイという男がパンチ・ピールの聖廟に行き、蟻に覆われたババジャンを見て、ババジャンの許しを得てそれを取り除こうとした。だが、多くの蟻がババジャンの皮膚の中にもぐり込んでいたため、彼は成功しなかった。ラファイはババジャンを自宅へ来るよう説得し、彼女の身体に油を塗ったあと、大変な苦労の末に、その小さな虫を何百匹も取り除いた。この痛ましい試練の間中、ババジャンはほとんど不快を示さなかった。
プネーの幾つかの場所に一時的に滞在したのち、ババジャンはラスタ・ペスのブハーリー・シャーのモスク近くのニームの木の下に住まいを定めた。そこにはさらに大勢の群衆が集まり始め、ババジャンは周囲の限られた空間のために不自由を強いられた。帰依者たちは座る場所を変えてほしいと懇願したが、ババジャンは謎めかしてこう答えた。 「ここには悪魔が一人います。私がそれを追い払うまでは、私は一寸たりとも動くことができません。」
