第33章: 1958年西洋サハヴァス
1958年· ババ 64歳ページ 4,374 / 5,444
続いてドン・スティーブンスが、神が一身のうちに父であり母であるという旨のバーバーの談話(以前1958年2月18日にメヘラバードで述べられたもの)を読み上げた。談話のあいだに二度、バーバーの事故による肉体的無力さに言及されたとき、バーバーは右足に触れたり指し示したりし、額にも手を触れた。その後、「愛は治療薬」(言葉や説明に過度な重要性を与えてはならないという内容)の談話が読み上げられた。バーバーは尋ねた。
二人の恋人、マジュヌンとライラのことをお聞きになったことがありますか?彼らは絶頂に達した人間の愛を抱いていました。マジュヌンはライラから遠く離れた所におりましたが、絶えず彼女を愛そうとし、行く先々で彼女の名を繰り返し唱えていました。ライラは別の遠い場所にいたにもかかわらず、ある日マジュヌンの足に棘が刺さり血が流れたとき、まさにその同じ瞬間、ライラも衝撃を覚え、彼女の足からも血がしたたり落ちました。そのような人間の愛でさえ、神聖な愛には及びません。人間の愛の絶頂はイシュク・エ・ミザジ[肉体の愛]です。神聖な愛はイシュク・エ・ハキキ[真実の愛]です。
バーバーはドン・スティーブンスに尋ねた。「マジュヌンとライラの物語はどのように終わりましたか?」
彼は知らなかった。
ケンモアが口をはさんだ。「ライラがほかの人を愛し、その人と結婚していたとしても、マジュヌンは幸せだったでしょう。」
バーバーは続けた。
マジュヌンの結末はすでに明かされています。彼の全生涯はライラでした。彼はすべての人の中に彼女を見たのです。もちろん、彼は自分の衣服や健康、食べ物には気を留めませんでした。彼は常に彼女のことを思いながら、あちこちをさまよっていました。そして彼は、ある木の下に座っている霊的な導師に出会いました。導師は彼を呼び寄せて言いました。「もしあなたがライラを愛するのと同じほどの激しさで神を愛そうとしていたなら、あなたはあらゆる場所、あらゆるものの中に神を見たことでしょう。」
マジュヌンは答えました。「私は神を追い求めているのではありません、私が追い求めているのはライラです。私はすべてのものの中に彼女を見ています。」導師は彼を呼び寄せ、抱きしめると、瞬時にしてマジュヌンは神があらゆる所に[いる]という体験をしました。それから彼は「ライラ!」の代わりに「アナル・ハク[私こそ神なり]!」と、すなわち「私は神である!」と叫び始めました。このアナル・ハクは、マンスールのそれとは異なるものでした。1
続いてドン・スティーブンスは、偽りの「私」についてのバーバーのもう一つの談話を読み上げた。
人間以下の段階においては、ごくわずかな偽りの自我、すなわち偽りの「私」の意識が、進化の余地を与えています。人間の形態においては、意識の進化は完成し、満ちた状態となります。そこで初めて、愛が積極的に働き始めます。愛がいよいよ積極的かつ十全にその役を果たすにつれ、偽りの「私」はますます消尽され始めます。
脚注
- 1.マンスールは、自らを神であると宣言したイスラム教の完全なる導師であった。マジュヌンは神を実現したが、完全なる導師として生き続けることはなかった。
