第31章: インドの大地に流れた血
1956年· ババ 62歳ページ 4,132 / 5,444
エルチはこう答えた。「六時前に着くなとおっしゃったうえに、ここで待つこともお望みにならないのですから。」
「いいえ、いつも通りに運転してください。」
バーバーは、ニルと一緒に座りたいと言って、ペンドゥおよびヴィシュヌと席を替わり、前の座席から後ろの座席へ移っていた。十分から十五分ほど経った午後五時五分、サタラから十五マイル離れた地点で、バーバーは車を停めさせ、再び席を替えさせた。バーバーは再びエルチとともに前の座席に座り、後ろではヴィシュヌが(左側の)、ニルが(右側の)窓側の席を占め、ペンドゥが真ん中へ移った。バーバーの指は休みなく動き続けており、その厳粛な心境を物語っていた。
その頃エルチは明らかに速度を出し過ぎていたようで、バーバーは速度を落とすよう注意した。彼らはそのまま走り続け、サタラから十二マイル離れたウドタラに近づいた。そこは、一年半前にバーバーがマンダリやほかの愛する者たちとクリケットをした場所であった。バーバーは前方のその場所を指し示し、あの日のことを思い起こした。
午後五時十五分、彼らがかつてクリケットをした場所のほぼ真向かいで、エルチがバーバーの手話を読み取っていた最中に、ハンドルが突然、原因不明のまま完全に制御を失った。車は急に向きを変え、石造りの暗渠に突っ込んだ末、その反対側の浅い溝の中に、プーナの方へ向きを向けたまま止まった。バーバーを含め、車中にいた男性たちは皆、重傷を負った。バーバーは全身が血に染まり、舌は裂け、寛骨を骨折し、額や鼻、頬、脚には擦り傷を負っていた。
それでも事故の瞬間、ヴィシュヌはバーバーの面持ちを見て、心が高められるのを感じた!血を流すバーバーの御顔を一目見たヴィシュヌは圧倒され、バーバーの栄光に満ちた宇宙的な体と、その御顔に輝く眩いばかりの光を見た。
ヴィシュヌは後にこう述べている。
すべては一瞬の間に起こりました。気がついたとき、車の後ろに残っていたのは私一人だけでした。車から出て前へ回り、バーバーがどうしておられるかを見ますと、衣服にも御顔にも血をつけたまま前の座席にもたれかかっておられました。[バーバーは血を流しておられましたが]、その時バーバーの御顔に湛えられていたほどの徹底した輝きと光彩を、私はこれまでの生涯で目にしたことがありません!あの方はまるで王のようでした。大いなる戦に勝利した王のようでした。クリシュナ神も勝利の戦場の戦車の上にあられた時、きっとあのようなお姿であったに違いありません。その輝きは目もくらむほどでした!ほかには何も目に入りませんでした。車も、周囲の景色も。ただ栄光に満ちた勝利のうちにあるバーバーの御顔だけが見えていたのです!
しばらくして、ヴィシュヌはバーバーに、ひどく怪我をされたかと尋ねた。バーバーは口と脚を指し示しながらうなずいたが、まずほかの者たちの様子を見るようにとヴィシュヌに身振りで示した。あの光景は、ヴィシュヌに力を吹き込んでいた。片方の脚を膝の近くで負傷し、顔にも切り傷があり、肋骨も一本折れていたにもかかわらず、ヴィシュヌは痛みを忘れ、ほかの者たちを助けようとあちこち動き回り始めた。エルチとペンドゥ、ニルは車外へ投げ出されていた。ニルとペンドゥは地面に倒れたまま意識を失っていた。暗渠の壁の石にぶつかった衝撃で、ニルは重い内臓損傷を負い、ペンドゥは脚を骨折していた。エルチは意識はあったが、肋骨を五本骨折していた。それでも彼は超人的な力を振り絞って立ち上がり、車に寄りかかってバーバーと言葉を交わすことができた。
