第29章: 短いダルシャンと隠遁
1956年· ババ 62歳ページ 3,962 / 5,444
「体験ですか?」とカイコバードが言った。「体験についてどうやってあなたに説明できましょう。手短に申し上げます。太陽が見えますか?」
「はい、見えます」とキルパル・シンが言った。
「どれほど明るいですか?」
「全世界に光を与えるほどに明るいです。」
「あなたにとって太陽の光はとても明るいでしょう」とカイコバードが言った。「しかし私は自分の胸の中にも光を見ます。それはあまりにも明るく、私が内に見るこの光の前では何百もの太陽の光も無に等しいのです。私は意識を失って倒れてしまいます。」1
聖者は深く感銘を受けた。彼は言った。「あなたがこのような体験をしているのは、バーバーの恩寵のおかげです。そのような体験はバーバーの祝福がなければ得られないものです!私はそのような体験をしたことがありません!」
キルパル・シンはそれから立ち去ってバーバーのもとに戻った。バーバーに椅子に座るよう勧められたが、彼は階段でバーバーの近くに座る方を選んだ。カイコバードから聞いた事について、彼はバーバーに言った。「彼がこのような体験をしているのは、あなた様の恩寵によるものです。」
「私の恩寵ですって?」バーバーが言った。「私の恩寵が誰かに降りかかれば、それは[偽りの自我の]完全な破滅をもたらします!」
一行は映画カメラを持参しており、バーバーとキルパル・シンが一緒にいる場面を撮影したいと望み、バーバーはそれを許可した。
それからバーバーはキルパル・シンの弟子たちに、「キルパル・シンのダーマン[聖衣の裾]をしっかり握り、愛と献身をもって彼の指示に従ってください」と命じた。
再び、バーバーは聖者を抱きしめ、聖者も深い情愛で応えた。一行の中の一人が、バーバーに近いうちにデリーを訪れてほしいと願った。バーバーは頷いてそれを承諾した。続いてプネー出身の一人が、バーバーにそこを訪れてキルパル・シンの講話を聞いてほしいと招待した。
バーバーは答えた。「私は自分のいる場所から、絶えずすべてを聞いております。」
再び大いなる愛をもってキルパル・シンを抱きしめ、バーバーは彼を自分の部屋へ連れ戻した。テーブルの一つから紙片を取り上げて、バーバーはそれをキルパル・シンに手渡した。その紙には太い字で「1957年2月15日」(バーバーの一年間の隠遁が終わる日)と書かれていた。
バーバーは尋ねた。「その日の夜を私と共に過ごされたいですか?」
「喜んで」とキルパル・シンが答えた。「もし私がインドの外に出ていなければ。」
バーバーはこう示した。「それはあなた次第です。」
脚注
- 1.カイコバードは近視で、強い灯りがないと日没後は本を読めなかった。しかし彼はかつてマンダリにこの体験を語ったことがある。「ある夜、漆黒の闇の中で本を手に取ったところ、何の通常の光の助けも借りずに、自分自身から放たれる光によってその本を非常にはっきりと読めることに気づきました。」
