第16章: 戦時中のマストへの旅
1943年· ババ 49歳ページ 2,393 / 5,444
エルチはバーバーの名を明かすことができなかった。「神のお導きにより、私の兄が私を遣わしました。どうぞこの金をお受け取りいただき、私たちに恩恵を賜りますよう。」それからエルチはバーバーの指示に従ってその男の足に触れ、金を手渡した。
その男は泣いて打ち明けた。「兄弟よ、もしあなたが今日来てくださらなかったら、私は明日には生きていなかったでしょう!自殺するつもりでいました。借金で首が回らないというのに、あとどれほどこの結婚適齢期の娘たちの重荷を背負い続けねばならないのでしょうか?私たちの境遇は、あなたご自身の目でもご覧の通りです。衣服や他の品が切実に必要です。しかし神は慈悲の大海であられます!私たち自身のために、神はこの状態に置いておられるのです。」
その敬虔な男に向かって両手を合わせ、エルチは去った。これこそ愛しいバーバーの戯れであった!あの方は常にすべての者の守護者であり、その方に隠されているものは何一つない!
1943年12月25日、ウォルター・メルテンスがスイスで亡くなったという電報が届いた。バーバーはヘディに愛にあふれる慰めのメッセージを送った。ヘディは夫の最期の日々、絶えずその枕辺に付き添っていた。しかしウォルターは、彼女がほんの一瞬部屋を離れた一分間のうちに息を引き取った。ヘディは後にバーバーに、なぜ彼はちょうどそのとき亡くならねばならなかったのかと尋ねた。
バーバーは彼女を慰めた。「それが彼が逝ける唯一の時だったのです。あなたの愛が彼を引き留めていたのです。」
パッパ・ジェサワラ、エルチ、サダシブ・パティルがメヘラの誕生日を祝してプーナで小さなダルシャン行事を準備し、サロシュは12月30日にバーバーをそこへ送り届けた。メヘラ、マニ、マーガレット、メフル、ワルが同行し、ビンドラ・ハウスに泊められた。パッパとエルチは女性たちと顔を合わせてはならなかったため、車庫に移らねばならなかった。
1943年12月31日金曜日、バーバーはビンドラ・ハウス向かいのアヒリヤ・アシュラム学校ホールで、親しい愛する者たちにダルシャンを与えた。多くの信者がカスバ・ペトをはじめ、アフマドナガル、ショラプル、ボンベイ、ナシクからもやって来た。午前9時から正午まで歌が続き、バーバーは午後3時から午後10時まで、再びダルシャンを与えた。客人たちは彼の足に触れず、ただ合掌して大きな新鮮なイチジクのプラサードを受け取るようにと指示されていた。
行事の翌日、バーバーはパッパにビンドラ・ハウスの門のそばで見張りに立ち、誰も中に入れぬよう命じた。そこでパッパは持ち場に就き、門のところに立った。
