第2章: メルワンの誕生
1914年· ババ 20歳ページ 163 / 5,444
ベイリーは一行全体に腹を立て、激怒のあまり、かっとなってプーナ行きの列車で去ってしまった。翌朝、ベイリーは大いに驚いた。ジャムシェドがベイリーの家に現れたのである。ジャムシェドは、ベイリーが去った後、メルワンもプーナへ戻ることを決め、自分を遣わしてベイリーを彼のもとへ連れて来させたのだと説明した。旅が突然終わった原因はベイリーの短気にあったが、メルワンは愛情深い性質の持ち主だったので、苦い感情が残らないようベイリーを許すために呼び寄せたのである。ベイリーはメルワンの愛に満ちた思いやりに心を打たれた。
ウドワダとその先まで一行に同行した友人の一人、ベーラムジは、重い視力障害に苦しんでいた。七年前、母方の叔父アスパンディアール・ルストム・イラニが治療のため彼をプーナへ連れて来て、そこで彼は治癒していた。
ベーラムジは1914年、コドゥによってメルワンに紹介された。彼はメルワンに引きつけられ、メルワンの家を定期的に訪れるようになった。当時ベーラムジは二十二歳だったが、まだ読み書きができなかった。しかし頭の切れる人物で、酒類の商売で成功していた。メルワンの両親は、彼がふだんの自分に戻りつつあると思って喜んだが、1914年12月、メルワンはベーラムジにペルシア語の読み書きを教え始めた。
息子が社交的な活動に関わり、普通に見えるのを見て、メモは彼に促した。「メログ、よい仕事に就きなさい……この数か月、あなたが何かで苦しんでいたことはわかっています。でも安定した仕事や職業に就けば、また昔のあなたに戻りますよ。」
メルワンは同意しなかった。そこでメモは彼のために部屋を借り、ベーラムジのようにペルシア語を学びたいと思うほかのイラニの若者たちに家庭教師をしてはどうかと提案した。しかしこれもメルワンは拒んだ。するとメモは、ベーラムジが家を訪ねるのを止めさせると脅した。
メルワンは無関心に同意して言った。「よろしいです。お好きならそうなさってください。」
彼の無関心を前に、メモは苛立ちのあまり両手を上げるしかなく、自分がいつも臆面もなく「私のいちばん美しい子!」と呼んでいた息子に何が起きたのかと訝った。
メルワンはベーラムジに、毎日自分の部屋へ来てペルシア語の個人教授を受けるよう指示した。この毎日の訪問ほどベーラムジを喜ばせるものはなかった。ベーラムジは商売上の用事さえ邪魔にさせなかった。ひとえにメルワンの努力のおかげで、四か月のうちにベーラムジは完全な文盲からハーフィズの詩を読めるまでになった。
