第10章: 歌い始めた西洋
1932年· ババ 38歳ページ 1,370 / 5,444
パラマウント・ニュース映画のためのメヘル・バーバーのメッセージは以下のとおりであった:
私が西洋へ来た目的は、新たな教義や霊的な協会・組織を打ち立てることではなく、人々が宗教をその真の意味において理解できるようにすることであります。真の宗教とは、究極的には宇宙全体に遍く満ちる一なる無限の存在を見るに至る心の態度を、養い育てることにあるのです。世にあって世のものとならず、同時にあらゆる人やあらゆる物と調和して生きられるとき、世俗のあらゆる務めや事柄に携わりながらも、その結果のすべてから完全に超然としていられるとき、芸術にも科学にも同じ神性を見出し、日々の生活のなかで最高の意識と分かつことのできない至福を体験できるとき—それが真の宗教なのであります。
私は、世にあるあらゆる偉大で公認された諸宗教や諸教義の構造が、揺らいでいるのを見ております。とりわけ西洋は事物の物質的側面に強く傾いており、それは計り知れぬ昔から、その後について戦争や疫病、金融危機を引き起こしてまいりました。私が物質主義を退け、これを憎んでいるのだと受け取られてはなりません。私が申し上げたいのは、物質主義はそれ自体を目的と見なすべきではなく、目的に至るための手段と見なすべきだということです。
国際連盟のような組織立った取り組みが、世界の諸問題を解決し千年王国を到来させるために、なされております。1西洋の一部、とりわけアメリカにおいては、真理と実在を知的に理解しようとする試みがなされておりますが、宗教の真の精神を欠いたままに行われております。それはみな、暗闇の中を手探りするのと変わりません。
私はすべての宗教と諸宗派を、一本の糸に通された珠のごとくにまとめ上げ、個と集団の必要のためにそれらを再び生気あるものとするつもりであります。これこそが、西洋に対する私の使命であります。私がやがて語ることになり、そしてこの憂いに満ちた世の表に降り立つことになる平和と調和は、もはや遠くはありません。
バーバーのメッセージはパラマウント・ニュース映画を通じて、世界の隅々にまで広められた。それが映画館で上映されたことにより、多くの人々がバーバーのことを知るようになった。2
翌日、パードムはバーバーに告白した、「あなたにお目にかかってから、私はまったく別の人間になりました。普段なら腹を立てて、不快なことを口にしていたであろう相手に対しても、丁寧に振る舞っている自分を私は見ております。私にとってはまったく新しい経験ですが、これはあなたとご一緒した後に、自ずと起こったように思えるのです。」
脚注
- 1.千年王国(ミレニアム)とは、キリストが地上を治め、義と幸福が満ちあふれるとされる千年間の期間を指す、新約聖書由来の表現である。
- 2.マンダリは、パラマウントがこのニュース映画をイギリスでは500の映画館で、アメリカでは3,000以上の映画館で上映する計画であると伝えられていた。最初の上映は1932年9月14日にロンドンで行われた。
