第9章: 激動の旅
1930年· ババ 36歳ページ 1,167 / 5,444
ようやく、ねばり強く説得した結果、店長は同意した。
チャガンが少年をバーバーのもとへ連れてくると、バーバーは初め、彼をたいへん気に入った。
しかし数分後、バーバーは少年の脚に小さな傷があるのを不快そうに見つけ、チャガンに指示した。「この子をメヘラバードへ連れて行きなさい。そこではパドリが傷の手当てをすることができます。傷が癒えたら、彼をパンチガニへ連れてくるようパドリに伝えなさい。」
少年の負傷が軽いものに見えたため、チャガンはバーバーの指示に当惑した。地元の医者でも難なく傷を治せるはずなのに、なぜバーバーがそれほどまでに大げさに、自分にこの子をはるばるメヘラバードまで連れて行かせるのか、彼にはふに落ちなかった。しかし彼は何も言わず、出発前にバーバーはさらに、途中プーナのサダシヴ・パティルに必ず連絡を取り、バーバーが口述する伝言を届けるよう彼に指示した。
そののちチャガンは、ユースフという名のその少年を連れてパンチガニを発った。プーナで、サダシヴの家に近づいたとき、共同井戸で水瓶を満たしていた一人のイスラム教徒の女が少年を見るや、突然「ユースフ、ユースフ!」と呼び始めた。彼女は少年に駆け寄り、彼を抱きしめ、泣きながら言った。「ユースフ、わが子よ、いったいどこに行っていたの?本当にお前なのだなんて、信じられないわ!私は何年も、昼も夜もお前に会いたくて焦がれていたのよ!息子よ、お前は実の母を忘れてしまったのかい?」
群衆が集まってきて、チャガンは何が起きているのか理解できなかった。彼はあまりに多くの人がいることに怯え、人々を押し分けて何とかサダシヴの家までたどり着き、そこで彼に状況を説明した。サダシヴはその女のところへ行き、事情を尋ねた。彼は、その女の一人息子が五年前に家から姿を消し、彼女と夫の捜索もまったく実を結ばなかったことを知った。両親は、行方不明のわが子を見つけられない苦しみに打ちひしがれていた。悲嘆に暮れた彼らは、もう二度と息子に会えないだろうとほとんど望みを失っていた。
そこでチャガンはサダシヴに尋ねた。「私はどうすればよいのでしょうか?バーバーの命令は、この少年をメヘラバードへ連れて行くことでした。」サダシヴは状況を説明する電報をバーバーに送った。バーバーの返信はすぐに届き、チャガンに少年を両親のもとに残してパンチガニへ戻るよう指示していた。そのときになって初めて、チャガンはなぜバーバーが自分をこの旅に送り出したのかを理解した。バーバーがチャガンに託してサダシヴに伝えるよう命じた伝言は何ら重要なものではなかったが、バーバーは胸を引き裂かれた両親と子どもを再会させてやりたかったのである。
数か月前、バーバーは予定外で短時間ながらコールハープル高校を訪れていた。彼はその学校をたいへん気に入っていた。
