第6章: 愛が泣いている
1927年· ババ 33歳ページ 763 / 5,444
ダケは深い印象を受けた、もう一つの出来事を目撃した。ケララから来たヒンドゥー教徒がバーバーのダルシャンを求めて訪れ、こう語った。「私はベナレスから巡礼で参りましたが、不運な事情により今は一文無しです。私の宗教に従えば、巡礼が終わり次第、バラモンたちに食事の振る舞いをしなければなりません。昨夜、アフマドナガル駅のホームに横になっていたとき、私はこの問題で思い悩んでおりました。眠りに落ちると、夢の中に神が現れ、メヘラバードのアシュラムへ行けばメヘル・バーバーが私の必要を満たしてくださると、お示しくださいました。目覚めたときは喜びに満ちており、それゆえ本日、こうして恭しくあなた様のもとへ参り、私の宗教的義務を果たすためのご援助をお願い申し上げる次第です。」
バーバーは答えた。「あなたの仰ることは真実です。ヒンドゥー教の教えに従えば、巡礼の後にバラモンたちに食事を施すことは義務であります。しかし昨夜、私もまた夢の中で神を見ました。そして神は、今日、嘘つきの悪党が金をせびり取って私を欺こうとやって来ると、私に告げられました。神は私に、その者には一銭も渡してはならず、打ち叩いて追い払うようにとお命じになりました!」
これを聞いたその男は呆然となり、自らの欺きが見破られたことを悟った。バーバーは沈黙を始めて以来お金に手を触れていなかったが、それでもベヘラムジを呼び、その男に何枚かのルピー紙幣を手渡させた。
お金を受け取ったその男が立ち去ろうとしたとき、バーバーは厳しく念を押した。「覚えておいてください、神は正直を愛します。神に隠されているものは何ひとつありません。」
一方、ダケは、その男が不正直であると知っていながらバーバーがなぜ金を与えたのかと不思議に思った。
バーバーは説明した。「あの男は、私が彼の偽りを見抜いていることを知っていたので、今日ここで起きたことを生涯忘れないでしょう。メヘル・バーバーが彼の本心を見抜いたうえで金を渡した、ということを、彼は決して忘れないでしょう。なぜ私がそうしたのか?次に誰かを騙そうとするとき、私を思い出して思いとどまり、より良くなるためです。」
マスターの行いに込められた叡智は、ダケの心を深く揺さぶった。
それからバーバーはマンダリに伝えた。「すべては一つであり、この一なるものは完全に分かつことができません。もし皆さんが愛されるべきあり方で私を愛してくださるなら、私は皆さんにその一体性を体験させてあげましょう。」
その後、マンダリは身を屈めてバーバーの足に触れ、ダルシャンを受けた。ダケはイラン人にお辞儀をすることをためらい、そこに何の益もないと思ったが、やがて「バーバーのダルシャンを受けて何の害があろうか?」と考えた。これらの相反する思いを抱えながら、ダケはゆっくりとバーバーに近づいた。バーバーが顔を上げてダケを見るやいなや、ダケは涙をどっと流した。あらゆる疑念は忘れ去られ、ダケはバーバーの足元に身を投げ出した。バーバーはマンダリに合図し、ダケを立ち上がらせるよう指示した。
