第1章: 涙を流す時代
ハズラト・ババジャン
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その姿勢が変わった隙を突いて、盗人はショールをつかんで逃げ去った。このようにして、ババジャンは盗人がその欲望を遂げるのを助けた。
また別の折には、ボンベイから来た一人の帰依者が高価な金の腕輪を二つババジャンに持参し、礼拝した後でそれを彼女の手首にはめた。その男は、以前ババジャンの祝福によって自分の世俗的な願いが一つかなえられたので、感謝のしるしとしてその腕輪を持って来たのだと語った。ほどなくしたある夜、一人の強盗がババジャンの背後に忍び寄り、腕輪を乱暴に引き抜いて、彼女の手首を出血させた。その強盗は素早く逃げようとしたが、近くにいた目撃者たちが助けを求めて叫んだ。その叫びを聞いて、一人の警官が来て、この騒ぎについて尋ねた。だが、ババジャンはどうしただろうか。老女は杖を振り上げて「叫んでいるあの者たちを捕まえなさい。私を煩わせているのはあの者たちです。連れて行きなさい」と叫び、群衆を驚かせた。
すでに述べたように、ババジャンはめったに食べなかった。彼女は、食べることは破れた布に当て布をするようなものだと、よく言っていた。つまり、食物を体に取り入れることは、この身体という布を保たせるために継ぎを当てるのと同じだという意味であった。一人の男が彼女のムジャーワル [世話係] に任じられ、その務めは彼女の身の回りの世話をし、仕えることだった。彼は陽気な男で、ババジャンに食べるよう勧めるたびに、冗談めかして「アンマ・サヘブ、ジョドナ [継ぎ当て] の用意ができましたよ」と言った。
ババジャンは、「害虫たちが絶えず私を悩ませます。払いのけても、また集まってきます」といった、一見まとまりのないような言葉を絶えずつぶやいていた。それから彼女は、まるで埃や蜘蛛の巣を払うかのように、自分の体を勢いよく払った。
バーバーはかつてこれをこう説明した。
宇宙全体にある無数のサンスカーラは、五人の完全なる導師に引き寄せられ、その神聖な火の中で浄化されます。サンスカーラが浄化されると、それらは戻って行き、霊的なサンスカーラとして全宇宙に広がります。このようにして、完全なる導師たちの身体は、世界の普遍的なサンスカーラを集めて清め、再びそれらを霊的なサンスカーラとして広める中心として働きます。
ババジャンのような完全なる導師たちには、それぞれ独自の内的な働き方がある。たとえば、ある夜、プーナからおよそ二十マイル離れたタレガオンの町では、地元の劇場で芝居が上演されていた。大勢の人が集まり、劇場は満員だった。これ以上人が入らないように、劇場側は扉に鍵をかけた。芝居の最中に火事が起こり、扉が閉ざされていたため、観客は恐慌に陥った。
